政治-4 政治思想の歴史
(世界を変えた50の政治 アン・パーキンズより)
初期の政治理論は、統治の目的・あり方を考え、指導者の道徳心や社会組織を検討した。時代が進むと、権力奪取の過程を検討したり、専制権力に対する市民の自由と権利について考察するようになった。時代順に13人の政治思想家で、政治思想の歴史を見てみます。
1.プラトン (BC380年 ギリシア 著作「国家」 初の大学アカデメイア創設)
道徳のある安定社会を作るためには、高い教養を持つエリート集団が、統治の役割を引き受けるべきだ。
2.アリストテレス (BC350年 ギリシア 著作「政治学」 プラトンの弟子、アレクサンドロス大王の家庭教師 近代政治学の親 市民と民主主義を支持した)
プラトンと同じく法の支配は前提条件と考えていた。富を求めると腐敗すると考えた。君主が僭主に、貴族が寡頭に、多数派のために行う共和政治が、幸せな生活が続けられる最も可能性の高い政治形態だとした。
3.マキアベリ (AD1530年 イタリア 著作「君主論」 フィレンツェの書記官)
国家の安全と国力増強を目的とした。支配者に求めたのは、善の徳性ではなく、軍事力で勝つ事と身のまわりの問題解決能力だ。国家は道徳目的のために存在するのではない。
4.ホッブス (1650年 イギリス 著書「リバイアサン」)
戦争があるので、強力で安定した社会を目指した。人間は利己的で、思いを遂げる為、権力を求める。法律、教育、宗教を決定する絶対権力者が秩序を維持するのが良い。ホッブスの世俗・現実主義は、当時の思想と異なっていたが、その後200年議論になった。
5.スピノザ (1680年 オランダ 著書「エティカ」 ユダヤ人 デカルトに傾倒)
政治の目的は、平和および自分の頭で考える(良心の)自由を確保することである。
6.ロック (1690年 イギリス 著書「統治二論」 ピューリタン ヒッグ党理論家)
先祖アダムの後継者という王権神授説を否定。人間は、繁栄の為、社会契約で政府を作り、裁判権、処罰権を与える。個人は財産権と自由権利(思想・言論・信教)を得る。選挙で選ばれた立法議会と行政府は別の機関が良いとした。
7.モンテスキュー (1750年 フランス 著書「法の精神」 三権分立を提唱)
フランス人権宣言とアメリカ合衆国憲法に基本的な着想を与えた。共和制は公共心によって、君主制は名誉によって、専制政治は恐怖によって維持される。自由を守るには、立法権、行政権に加え。司法権の独立も主張した。
8.ルソー (1760年 スイス 著書「社会契約論」 理想主義哲学者)
「自由、平等、友愛」の思想は、フランス革命のスローガンになった。個人の自由の獲得は、社会公共体の中で、その一般意思に従うことで得られるとした。
9.バーグ (1780年 アイルランド⇒イギリス 著書「フランス革命の省察」 )
保守主義を擁護した。政治的、社会的変化は必要だが、ゆるやかで着実な改革が望ましいとした。フランス革命反対、イギリス立憲君主制賛成の立場であった。
10.ペイン (1780年 イギリス⇒アメリカ 著書「コモン・センス」)
1774年アメリカに渡ったペインは、アメリカ独立を支持し、「コモン・センス」を書いて、独立運動を推進した。独立宣言の考え方に影響を与えた。個人には、自由・平等・安全・財産・独立・幸福の追求の譲るべからざる権利がある。政府はこれを守るために存在する。
11.サン=シモン (1820年 フランス 著書「オルガナイザー」 社会主義誕生を予見)
社会主義の始祖と呼ばれる。科学には、物質世界だけでなく、政治の世界も変える能力がある。社会は公共の利益のために、計画経済に、穏やかに進化できるとした。社会と経済は密接な関係がある。権力は、国家から産業階級へ移るとした。
12.コント (1830年 フランス 著書「実証哲学講義」 社会学を命名創始した)
社会を科学的に解明しようとした。知識は重要で、神学から抽象的思索へ、そして実証的段階に進むと考えた。社会を支配する法則を突き止めようとした。
13.ロールズ(1970年 アメリカ 著書「正義論」)
ロールズは功利主義に反対した。少数派の権利が保障されないからである。共産主義と野放しの資本主義にも反対した。社会的、経済的不平等・格差に対して、財産権だけは、個人の自由から除外している。公正さ、平等な自由、機会均等が重要視されている。

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