仏教

仏教

梅原猛

1.仏教は紀元前500年にインドで出た。

ドイツの哲学者カール・ヤスパースの説。紀元1万年頃から人類は農業革命(西洋:小麦・家畜、東洋:稲作・魚)により、富の蓄積が起こり、紀元前5000年頃、都市文明が出来た。富を争い戦争が起きて、世の中が乱れた。精神的原理が必要になった。この時期、ソクラテス、第二イザヤ(500年後イエス・キリスト)、釈迦、孔子と世界の四聖が出た。釈迦は家を出て修行し、35歳で悟りを得た。その後45年間乞食(托鉢)をして、悟りを人に語り、80歳で死んだ。西洋のソクラテスやイエス・キリストは2人とも殺された。東洋の釈迦、孔子は静かに死んだ。釈迦も孔子もあの世、天国を言わずに静かに死んだ。

2.釈迦の思想

悟りの内容。愛欲と生存の業の世界から脱却すると自由になれる。

①人生は苦である。 生老病死、食欲・性欲の業

②苦の原因は愛欲、生存の業である。 愛欲、性欲・食欲・物欲・権力欲

③愛欲、生存の業をコントロールする。 業の世界から脱却する

④コントロールの方法

1)戒・戒律 セーブする規則を作る

2)定 精神を集中する。座禅

3)慧・智慧 智慧を磨いて、愛欲・生存の業のバカバカしさを知る

戒・定・恵を得る 規則を守る、集中力をつける、知恵を磨く、欲の世界から脱却して自由に生きる

⑤仏教の4つの道徳

六波羅蜜(悟りの世界に行くための菩薩の実践法)、八正道が教える4徳目 

精進(努力)、禅定(集中力)、正語(正直)、忍辱にんにく(辱めに耐える)

この4つがあれば、人生を失敗せずに、渡って行ける 人生渡世の秘宝

良き言葉を語り、柔和にして、高慢にならざること。足るを知る(衣食住金)。悪事はしない。慈悲の心を持つ。人生は生まれによって、聖者になるのではない(バラモン、武士、庶民、奴隷、四民平等)

3.大乗仏教

釈迦が亡くなって500年後、竜樹(イエスと同時代)が現れて、大乗仏教という革新派が出来た。今までは戒定恵で1人で悟りを開こうとしたが、町に出て、いろんな悩んだ人間を救うことを目指した。山に籠るのは無で偏り過ぎる。無に偏せず、有に偏せず、自由に生きる。竜樹は空(中道)の智慧を言って、般若心経を作った。

竜樹の後、華厳経、法華経(天台宗、日蓮宗の根本経典)、浄土教(浄土宗、浄土真宗)などが創られた。大乗仏教の特徴は自利利他という菩薩行である。菩薩の代表は観音菩薩である。

4.日本の仏教

日本は大乗仏教の国である。在家仏教の色彩が強い。旧来のアニミズムの神道と混合して、独自の神仏混合仏教になった。日本に仏教が入ったのは、欽明天皇552年。それから、200年後の752年東大寺の大仏開眼が行われた。

飛鳥、奈良時代の仏教の功績者は聖徳太子と行基。聖徳太子は律令制を始めて17条憲法(和をもって貴しとなす)を作った。また、法華経の注釈書も作った。行基は異相の行基仏を作り、神様と仏様を合体した。東大寺を作る時尽力した。東大寺は華厳経で一木一草の中に仏が宿っているという教えである。平安時代は神仏習合して、仏像も木造になった。

平安時代は最澄(比叡山延暦寺の天台宗、法華経、他宗派の研究)、空海(東寺、高野山の真言密教・現世肯定・感覚肯定、中心仏は大日如来、東寺には如来、菩薩、明王、天部の4神仏がいる)関西は観音信仰が盛んになった。関東は明王の中心の不動明王が盛んになった。

鎌倉時代は浄土教(法然と親鸞、南無阿弥陀仏)、日蓮の法華宗(南無妙法蓮華経)、禅(栄西の臨済宗、道元の曹洞宗 )が出た。今の日本で栄えている仏教のほとんどは、鎌倉時代に生まれた。